作家の宮本輝さんのこと
- 1 日前
- 読了時間: 3分

今回は、医療と関係ない話です。
私、作家の宮本輝さんの作品が大好きなんです。
出会いは、大学受験か高校受験かどちらかなので、中学3年か高校3年の時です。どこの学校だったか覚えていないのですが、「螢川」という芥川賞を受賞された作品の最後の場面が国語の過去問に使用されていました。これに感動した私は、早速「螢川」「泥の河」「道頓堀川」の川3部作の文庫本を買ってきて、受験勉強そっちのけにして全部読んだというのが始まりです。
その後は、「青が散る」「春の夢」「錦繍」と大学時代は、その時代に出版されていたほぼ全ての小説以外にも随筆なども含めた宮本作品を読みました。大学を卒業した後は、一人前の形成外科医になるための勉強で忙しくてあまり小説を読まない時期がありましたが、ほぼ全ての宮本作品を読んだと思います。
宮本輝作品を読んだことのない人のために、私がお勧めする順番をご紹介しましょう。
螢川、泥の河、道頓堀川 川三部作
まずは、これを読んでください。川三部作と呼ばれています。
「泥の河」(1977年太宰治賞)、「螢川」(1978年芥川賞)を受賞されています。
私のお勧めとしては、螢川→泥の河→道頓堀川と読み進めて下さい。
すぐ、読み終わると思います。
この川三部作で感傷に浸った方は、宮本ファンの素質があると思いますので、下記に進んでいただきたいと思います。
青が散る
春の夢
宮本ファンの人によって意見は異なるかもしれませんが、次はこの2つを読んでください。青春期に読むべき本かもしれませんが、40代50代の方は青春時代にタイムスリップさせてくれると思います。
「青が散る」は、1983年に石黒賢さんと二谷友里恵さんの主演でテレビドラマ化されたので有名です。私は、高校生か大学生の時に読みました。40代の時に手元になかったのでまた買ってきて読みました。青春時代に戻れます。春の夢は、あまり有名ではないかも知れないのですが、私は読んでほしい一作だと思っています。
錦繍
この作品は、書簡体で書かれた美しい文学作品です。深すぎてこころに刺さってしまうかもしれませんが、宮本文学の外せない代表作です。
草原の椅子
つぎは、これです。「人情のかけらもないものは、どんなに理屈が通っていても正義ではない」これは有名なフレーズです。
どれだけ論理的に正しくても
どれだけ制度として整っていても
どれだけ社会的に“正義”とされていても
そこに人の心への想像力や慈しみが欠けていれば、それは本当の正義ではない。宮本輝の作品には、ド正論を掲げるよりも“誰かの痛みに寄り添うこと”を大切にする登場人物が多く登場します。
骸骨ビルの庭
その次は、これです。骸骨のように見える古びたビル。しかしその中にある庭には生命が息づいており、さまざまな人間模様があります。これも素晴らしい作品です。
流転の海シリーズ
ここまで読んだら是非、宮本輝さんの自伝的大河作品である「流転の海シリーズ」へ突入してください。8作ありますが、おそらく止まらなくなります。最後まで一気に読むことになるでしょう。私の場合は、リアルタイムにハードカバーを買ってきて読んでいました。3-4年ごとの出版でしたから、次が待ち遠しくて待つのがつらかったですが、今は全部そろっています。8冊まとめて文庫本で購入してください。
その後は、好みによると思いますが、
優駿、花の降る午後、私たちが好きだったこと、焚き火の終わり、三千枚の金貨、三十光年の星たち、まあ、全部読んでください。

甲府昭和形成外科クリニック
百澤 明



