腋毛とわきがの関係について
- 3 日前
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甲府昭和形成外科クリニックの大河内です。ひきつづきワキの汗に関していろいろな情報をお伝えできればと思います。今回は腋毛とわきがに関するお話です。
腋毛の濃さや範囲には個人差があります。その違いは 遺伝・ホルモンバランス・栄養状態 によって左右されます。
遺伝
毛穴(毛包)の数や分布は生まれつき決まっており、家族性の特徴が出やすいといわれています。毛の太さや硬さも、毛を作る細胞の働き方により遺伝的に規定されています。
ホルモン
思春期に男性ホルモン(テストステロン)が増えると腋毛が発達します。テストステロンが多いと毛は太く濃くなりやすく、女性ホルモン(エストロゲン)は腋毛の成長を抑える方向に働きます。女性でもストレスや睡眠不足などでホルモンバランスが乱れると、男性ホルモンの作用が強まり腋毛が濃くなることがあります。
栄養
栄養状態も毛の成長速度や健康に寄与します。タンパク質・亜鉛・ビタミンB群などが不足すると毛が細くなったり、成長が遅くなります。また、栄養の偏りがホルモンバランスに影響し、腋毛の濃さに関与する可能性があります。
腋毛と深い関わりがあるのが アポクリン汗腺 です。アポクリン汗腺はわきがの原因とされ、分泌された汗が皮膚の常在菌に分解されることで特有のにおいを発生します。アポクリン汗腺はテストステロンの影響で活動が活発になり、その導管は毛穴に開口しています。
アポクリン汗腺が発達する部位として、腋窩部・陰毛部・乳輪周囲があげられますが、この部分の体毛は思春期になってからテストステロンの影響を受けて発毛・成長します。
腋毛は汗や皮脂を毛の根元や表面に保持しやすいことと、汗がすぐに蒸発せず、湿度が高い環境が維持されるため、皮膚の常在菌が繁殖しやすくなります。また、毛があることでにおい分子が保持されやすく、かつ周囲に拡散しやすい状態になります。そのため、腋毛が多い人は匂いが強くなる傾向があります。
ただし、腋毛が濃い人が必ずわきがというわけではありません。アポクリン汗腺の数や活動性、生活環境によって症状の強さは異なります。

わきがに悩む方で「ニオイを軽くしたい」と脱毛を検討するケースもあります。腋毛をなくすと汗や皮脂が毛に溜まりにくくなり、菌の繁殖が抑えられるためニオイが多少軽減することがあります。しかし脱毛ではアポクリン汗腺そのものは減らないため、根本的な治療にはなりません。毛穴も残っているのでアポクリン汗腺からの分泌は続きます。また、毛がなくなることで汗が直接衣服に吸収され、湿った衣服に雑菌が繁殖しやすくなり、かえってニオイを感じやすくなってしまう場合もあります。
脱毛は補助的な対策にはなりますが、確実にニオイを減らすには 腋臭症手術やミラドライ など、アポクリン汗腺を減らす治療が必要です。
・腋臭症手術ではアポクリン汗腺と毛根部をともに切除します。
・ミラドライ治療では皮膚を冷却で保護しながら、エクリン汗腺・アポクリン汗腺・毛根部の深さに熱を加え、これらに不可逆的な変化を起こします。
したがって、どちらの治療を行っても腋毛は大幅に減少します。

甲府昭和形成外科クリニック
大河内 裕美



