ワキの汗について
- HEIWA SOTOMURA

- 2025年12月22日
- 読了時間: 3分

甲府昭和形成外科クリニックの大河内です。
甲府昭和形成外科クリニックでは、ミラドライ治療を担当していますので、ワキの汗にまつわる色々な話をお伝えしようと思います。
ワキの汗を分泌する汗腺には主にエクリン汗腺、アポクリン汗腺、そしてアポエクリン汗腺の3種類が存在し、それぞれ特徴があります。まずはこれら3種の汗腺と発汗の原因、多汗症やわきがとの関連について紹介します。
エクリン汗腺
エクリン汗腺は全身に広く分布し、特に手のひら、足の裏、わきの下に多く存在します。生まれたときにはすでに数が決まっており、乳幼児期に育った環境によって働く汗腺の数が変わるのが特徴です。暑い地域で育つと、より多くの汗腺が活動できるようになります。年齢を重ねると機能が低下し汗の量が減ります。そのため、高齢者は熱中症に注意が必要となるのです。
エクリン汗腺は、神経からの信号を受けて汗を出します。具体的には、交感神経がアセチルコリンという物質を出し、それがエクリン汗腺に伝わることで汗が分泌されます。この汗の成分はほとんどが水ですが、少しだけ塩分(ナトリウムや塩素、カリウム)、尿素、乳酸、タンパク質なども含まれています。汗が作られる途中で塩分の一部が体に戻されるため、最終的に皮膚に出てくる汗は薄めの塩水のような性質になっています。
アポクリン汗腺
アポクリン汗腺はわきの下や耳の中、乳輪、陰部など限られた場所にあります。思春期になると性ホルモンの影響で働き始めます。アポクリン汗腺は交感神経からノルアドレナリンという物質が伝わることで働きます。ここから出る汗は水分だけでなく、タンパク質や脂質、糖質など栄養分を多く含んでいます。汗そのものは無臭ですが、皮膚の常在菌に分解されると独特のにおいが生じます。いわゆる「ワキガ臭」はこのようにして生まれます。
アポエクリン汗腺
アポエクリン汗腺は、定義が確定されていませんが、わきの下に特有の汗腺で、エクリン汗腺とアポクリン汗腺の中間的な性質を持っています。
思春期前はエクリン汗腺に近い働きをしており、交感神経から伝わるアセチルコリンの刺激によって水分主体の汗を分泌します。ところが、思春期以降になると性ホルモンの影響を受けてアポクリン型へと変化し、交感神経からのノルアドレナリンの刺激によってタンパク質や脂質を含む汗を分泌するようになります。
このように、アポエクリン汗腺は成長段階によって神経伝達物質の影響が変わり、汗の性質も「水分中心」から「栄養分を含む汗」へと移り変わります。結果として、思春期以降は皮膚の常在菌による分解で特有のにおいが生じやすくなります。
汗が出るきっかけ
汗は大きく3つの刺激で分泌されます。
温熱性発汗
体温が上がったときに出る汗。体温調節のために欠かせません。
情動性発汗
緊張や驚き、ストレスで出る汗。手のひらや足の裏に多く見られます。
味覚性発汗
辛いものを食べたときに額や鼻に出る汗。カプサイシンが「熱い」と錯覚させることで起こります。
汗にまつわる体質
多汗症
必要以上に汗が出てしまい、日常生活に支障をきたします。治療には外用薬やボツリヌス毒素注射、マイクロ波治療機器(ミラドライ®)などがあります。
腋臭症(ワキガ)
アポクリン汗腺の汗が菌に分解されて特有のにおいを発する状態です。外科的治療やマイクロ波治療機器(ミラドライ®)などによる治療が行われます。
今回は3種類の汗腺と汗が出る仕組みについてお話させていただきました。ワキの汗について理解を深める一助になれば幸いです。当院ではミラドライだけでなく、手術やA型ボツリヌス毒素による治療、抗コリン薬外用の処方なども行っております。ワキの汗について気になっている方はぜひご相談ください。
甲府昭和形成外科クリニック
大河内 裕美



