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脱脂は過剰脱脂に注意

10 分前
読了時間: 4分


―目の下の脂肪、本当に取ってしまって大丈夫?―


最近、私の外来で増えている相談があります。


  • 「目の下のクマが気になって脱脂を受けたのですが、かえって目の下が凹んでしまいました」

  • 「クマはなくなったはずなのに、以前より疲れて見えるようになりました」

  • 「脱脂後、目の下が暗く見えるようになりました。元に戻せませんか?」


いわゆる目の下の脂肪の“取りすぎ”、過剰脱脂による合併症です。


私は眼窩骨折などもふくめた眼窩周囲の形成外科を学んできました。その立場から、これからクマ治療を考えている方にぜひ知っておいていただきたいことがらについて述べたいと思います。



「 眼窩脂肪 = 悪者 」というわけではない

目の下にふくらみがあると、「この脂肪を取れば平らになって、クマがなくなる」と考えてしまいがちです。


しかし、目の下のクマはそれほど単純ではありません。


私たちが「クマ」と呼んでいるものの中には、眼窩脂肪の突出による“目袋”と、その下にある“凹み(tear trough)”の両方の要素がまざっているケースが多くあります。


つまり、問題は「脂肪があること」だけではなく、“ふくらみと凹みの高低差”と考えることができます。


脱脂という術式は、ふくらみを減らして凹みに合わせに行く術式です。適切な量であればよいのですが、脂肪を必要以上に除去してしまうと、今度は目の下そのものが凹み、貧相になってしまうことがあります。



結果として、


「クマを治すために眼窩脂肪を取ったら、別の種類のクマが目立つようになった」


ということが起こり得ます。



眼窩脂肪脂肪は「不要なもの」ではないと私は思っています。


眼窩脂肪は、単に取り除けばよいという余分な組織ではなく、特に内側の眼窩脂肪は、若々しい目元をつくるための大切なボリュームだと思っています。


実際、欧米においては、下眼瞼形成術の考え方は、かつての「突出した脂肪を切除する」という発想から、必要な脂肪をできるだけ温存し、凹んでいる部分へ移動させて“目の下から頬までを滑らかにつなぐ”という考え方が主流となっています。


まさに、裏ハムラ法です。欧米では、ゴールドバーグ法とか、Fat transferとかいわれています。

突出している眼窩脂肪を単純に捨ててしまうのではなく、目の下の凹みに移動させることで、ふくらみと凹みを同時に改善します。



「一度取った脂肪は、もう元には戻せない」

“脂肪は取ることより、取った後に戻すことのほうが難しい”のです。


過剰脱脂後の凹みに対しては、状態によって脂肪注入やヒアルロン酸などによるボリューム補充、残っている眼窩脂肪の移動などを検討します。


また、過去に脱脂を受けた方でも、移動できる眼窩脂肪が十分残っていれば、脂肪移動によってtear troughを改善できる可能性があることも報告されています。

しかし、私の経験上は、脱脂歴のある方の経結膜的眼窩脂肪移動術は治療成績が悪い傾向があります。


また、初回手術と比べると治療の選択肢は限られます。瘢痕の状態や残存している眼窩脂肪量も一人ひとり異なりますので、どのような修正手術が適応できるか特に慎重な診断と検討が必要になります。



「脱脂が悪い」のではない


私は、脱脂という手術そのものを否定してはいません。私も、眼窩脂肪が多すぎる場合など適切に脂肪量を減らすことがあります。


大切なのは、


「脂肪が出ているから取る」ではなく、その人の目元全体を見て、何がクマをつくっているのかを診断して、その患者さんに合った術式を選択することです。


そして、現在だけでなく、5年後、10年後の目元まで考えて、脂肪を「取るのか」「残すのか」「移動するのか」を判断することだと思っています。


そして、すでに脱脂を受けて目の下の凹みで悩んでいる方も、修正方法がまったくないわけではありません。残っている脂肪の量、凹みの位置、皮膚や靱帯、頬とのバランスを診察したうえで、その方に適した修正方法を考えていきます。


お困りの方、是非ご相談ください。


甲府昭和形成外科クリニック

百澤 明



 
 

〒409-3866 山梨県中巨摩郡昭和町西条3517

TEL : 055-268-3336 FAX : 055-268-3366

※すべての診療日で完全予約制とさせて頂いています。必ずお問い合わせの上、ご来院ください。

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