皮膚腫瘍

形成外科で扱われる疾患の中で、最も多く治療されているもの一つです。
皮膚腫瘍には良性のものと悪性のものがありますが、当クリニックでは、主に明らかに良性と思われるものを取り扱います。
悪性が疑われる腫瘍は、山梨大学医学部附属病院をご紹介し、必要な検査を受けて頂き正しい診断と治療を受けることが必要です。

代表的な良性腫瘍

粉瘤(ふんりゅう、アテローマ)

皮膚が皮下組織に入り込んで袋を作った腫瘍です。
日常診療でもっとも多く見られる腫瘍です。腫瘍の内腔面が皮膚成分であるため、垢(アカ)が袋の中に貯まり、しばしば細菌感染を起こし、赤く腫れて痛くなり、膿を持つようになります。この状態(炎症性粉瘤と呼んでいます)で受診された場合には、切開して中の膿を出すことで症状を軽快させます。
根治療法は袋をすべて取り除く切除術となりますが、細菌感染が生じている時は手術を行わず、感染が充分落ち着いてからの手術となります。

石灰化上皮腫 (せっかいかじょうひしゅ)

毛根由来の硬い腫瘍で、皮膚の下のしこり(石灰成分のかたまり)として出現します。
小児期に気づかれることが多く、小児の皮膚腫瘍では代表的なものといえます。
腫瘍の成長は比較的ゆっくりですが、悪性腫瘍との鑑別(腫瘍が良性か悪性か判断すること)から、手術での切除術が推奨されます。
この腫瘍は顔面にできることも多く、必要最小限の切開で腫瘍切除を行っています。

脂肪腫 (しぼうしゅ)

皮下組織である脂肪を由来とした腫瘍です。
体表近くにできることが多いため一般的な皮下腫瘍に準じた手術方法となりますが、筋膜下や筋層内に生じることもあるため、手術前の画像診断が重要です。
数センチのサイズのものであれば局所麻酔下に摘出が可能ですが、直径が10センチを超えるような大きなものは全身麻酔をかけての手術をお勧めすることがあります。この場合も山梨大医学部附属病院をはじめとした総合病院をご紹介させていただきます。